説教5月19日「枯れた骨よ、神の力を受けよ」」

聖書:エゼキエル書37章7~14節

神の御子・主イエスが十字架の上に死んで甦られ、40日の間弟子たちに御自身を現わされ、天に昇られましたが、それから10日後父・子なる神は弟子たちの上に臨み、聖霊(人の心・体の内奥に及ぶ父・子なるご自身)を注いで下さり、弟子たちが、主の復活の恵みを喜びをもって証しし始めた、こうしてキリスト教会が始まりました。今日の日は、主の復活から50日目なので、ペンテコステ(50日目という意味)と言います。
私たちは、始祖アダムの罪を受け継ぐ者として、その罪に対する神の怒りの裁きの徴として死んで朽ち行く体をもって短い生涯を終える者です。しかし主は朽ち行く体のまま主を呼び求める私たちに聖霊を注ぎ臨んで私たちを主の者として取り上げて下さり、ご自身の永遠の命に与からせ、その証し人とされるのです。
 今日のペンテコステでは、旧約の預言者エゼキエル書37章のみ言葉を聞き、改めて私たちに注がれる神の霊をこの身に覚えて、その恵みに感謝したいと思います。
 その1節以下にこう書いてあります。「主の手が私に臨んだ。主はその霊によって、私を連れ出し、低地においた。するとそこには、おびただしい骨があり、それは枯れ果てていた。主は私に言われた。『人の子よ、この骨は生き返ることができるか?』私は言った。『主なる神よ、(だめだと)あなたは御存じ(なのでしょう)。」主は私に言われた。『これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。主なる神はこれらの骨にこう言われる。今、私はあなた方の中に霊を吹きこむ。するとあなた方は生き返る。私はあなた方の上に筋を付け、肉を生じさせ、皮膚で覆いその中に霊を与える。するとあなたは生き返る。こうしてあなた方は私が主であることを知る。』エゼキエルは、紀元前7世紀のユダ王国が大国バビロニアに滅ぼされ、夥しい人が殺され、有力な人々はみな奴隷として連れ去られた時、連れ去られた人々に寄り添い、神から、枯れた骨たちに命を与える神の御業を示されて、それが成就する幻を与えられて、あのように語りました。私には,この枯れた骨たちに、高齢化する私たちの教会、滅びの危機に瀕する日本社会、ロシアによって占領されて住民が虐殺されたブッチャの人々、イスラエルのハマス掃討作戦の犠牲になって飢えと渇きで苦しみながら死んでいったガザの人々が重なり、私たちに、また彼らにも語られているみ言葉として聞こえてきました。

2024年06月10日