説教 9月3日 恐れずに福音を宣べ伝えよ

聖書 マタイによる福音書10章22~33節

「あなた方は、全ての人に憎まれるであろう。」今日はいきなり、こんな主イエスのみ言葉を聞きました。あなたがたというのは、主イエスを受け入れ、その弟子となった者のことです。つまり私たちのことです。みんなに憎まれるなんて、そんなことはない、とあなたは言うでしょう。その通りです。しかし、この「あなたがた」とはどんな私たちのことでしょうか。」それは、神さまに背いた自己中心の私たち、つまり肉にある私たちですか。それなら、みんなに憎まれるということはありません。私たちも、そのみんなの一人なのですから。しかし、そのあなたは本当のあなたではありません。本当のあなたは、神の恵みの支配の中に真の自分を見出したわたしたち、主のみ言葉を聞いて、天の国=神の国=御支配の証し人として、暗闇で聞いた神の言葉を屋根の上で言い広めるように使命を与えられたわたしたちのことです。するとどうでしょうか。人々はわたしたちを憎むのではないでしょうか。だからわたしは皆さんに申し上げよう。「どうかあなたもわたしも、全ての人に憎まれるこの『あなたがた』になりましょう、と。そして打たれ上手になりましょう、と。それはよいことです。たとえば肉の私たちは、みんなと一緒になって、核兵器用ミサイルを日本上空を飛ばして私たちを脅かす北朝鮮はとんでもない悪い国だと、怒り憎んでいます。そうです。確かに悪い国です。しかし彼らには、私たちこそ邪悪な国なのです。彼らの日本像は、あの戦前に彼らに暴虐の限りを尽くした日本のままなのです。戦争になれば、彼らが真っ先に攻撃するのは日本であるかもしれません。私たちは冷静にならなければなりません。一体なぜ、北朝鮮は核ミサイル開発にやっきになっているのでしょう。彼らの主張によく耳を傾けていると気が付いたことがありました。彼らの願いはただ、自分たちの国の主権を守りたいだけなのだ、と。特に世界最大最強の国であるアメリカに認めさせて、国の安全を確保したい、それが彼らの悲願なのだと。どんな国だってもっていい悲願です。もしアメリカが、北朝鮮の主権を侵害しない、攻撃しないと約束し、平和条約を結ぶなら、彼らはもう核ミサイルを開発する理由がなくなるのではないか。主に導かれた霊の私たちはこのことに気づきます。そうすると、私たちは、霊に導かれた、和解の福音のゆえに、この国で憎まれる者になり、主が今日呼びかけて下さった「あなたがた」になるのです。世に憎まれることを恐れることはありません。あなたを遣わした主があなたの味方です。

2017年09月27日