説教8月6日 (信徒の日)「すべての人が生かされる」

 8月6日 「すべての人が生かされる」  聖書 コリント人への第1の手紙15章20節~28節

第一コリントのこの個所は、主イエスの死人の中からの復活の恵みの事実を事実として受け止めることから、私たちに、死ぬときも生きる時も、揺らがない確かな慰め、と希望の人生が始まることを告げています。この恵みを受け入れ信じて励まされた貧しい人々の教会であったコリントの教会で、ある世の有力な人々が、魂の不滅とかならわかるけど、死人の復活などありえない、と言い人々を惑わしています。それに対してパウロは言います。「あなた方が受け入れ、それによって立ってきた福音を思いだしてほしい」と。すなわち、キリストが聖書に書いてある通り、私たちの罪のために死んだこと、葬られたこと、三日目に甦られたこと」だと。多くの人は十字架に死んだイエスが復活されたことを信じないでしょう。しかし、その信じられないことが、神から起こされました。それは、主と共に歩んだ12弟子たちをはじめ沢山の現に生存している人々が復活のイエスに出会っていて、ここで語るパウロ自身が、イエスを憎み教会を迫害して者だったのに、衝撃的な仕方で、復活の主に出会って、今現に伝道者として働かせて頂いているということに示されている通りであります。キリスト教会とはまさに、死人の中から甦らされた主によって示された神の恵みの満ち満ちる新しい命、新しい神の世界をしめされ、打ち砕かれてそこに生きることを始めた人々の群れということができます。パウロは言います。「もし(あなたがたが主張するように)死人が甦らないならば、キリストも甦らなかった。もしキリストが甦らなかったならば、あなたがたの信仰は空虚なものであり、キリストにあって眠った者(死者)は、滅んでしまったのだ。あなたがたは皆罪びとのままである、もし私たちが、この世の生活で、抱く望みは、単なる望みを抱いているだけであることになる」。「兄弟たち、それでいいのか」と。しかし、とパウロは言うのです。「実際は、キリストは眠っている者の初穂として、甦られたのだ」と。まだ私たち人類世界である神の麦畑は、実りの時とはならず、青々としている、しかし、キリストの甦りによって神は全人類が、朽ちて死んでしまう命にかえて、神に直結して、神の命を受けて輝く新しい命を受ける日、実りの日がもう来ていることを示されたのだと。だから私たちは、この罪の世、戦争があり権力や富を持つ者が奢って、死が猛威を振るう悲惨な世の只中にあっても、落胆しないのです。今、主によって力を与えられて立ちあがり、究極の甦りの日、神の平和の成就する日、神がすべてにおいてすべてとなる日に向かって歩みだすのです。

2017年08月28日